脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症は、背骨部分にある脊柱管が狭くなった状態を指します。脊柱管の中には脊髄が通っており、この中が狭くなると神経が圧迫され、痛みやしびれが生じます。脊柱管狭窄症の原因は、椎間板や背骨、黄色靱帯などの周辺組織が肥大したり変形したりして脊柱管を圧迫することです。症状には腰痛や下肢のしびれが含まれ、坐骨神経痛とも呼ばれます。
脊柱狭窄症と診断されたがマッサージや施術で治るか?とよく聞かれます。お医者さんにかかって今後のことを決めていくのに判断の考えのひとつになればと思い書き記しておきます。

やってはいけないこと

脊柱管狭窄症の人は、以下の動作を行うと痛みが増し、症状が悪化する可能性があります。

  1. 腰を反らす動作: 脊柱管狭窄症の人が腰を反らすと、脊柱管の中がさらに狭くなり、神経を圧迫して症状が悪化します。腰痛に効く体操やストレッチを考えている場合でも、腰を反らすメニューは避けましょう。
  2. 背筋を伸ばす動作: 腰を反らす動作と同様に、背筋を伸ばす動作も脊柱管をさらに狭くする可能性があるため、おすすめできません。姿勢をよくする意識は大切ですが、胸を張るような形で背筋を伸ばすのは控えましょう。
  3. 無理な体勢での運動: 無理な体勢をとらなければならない運動は避けましょう。特に体をひねる動作が多いスポーツは、背骨に負荷がかかりがちです。

やったほうがいいこと

脊柱管狭窄症の人がやったほうがいいこともあります。ただし、症状の程度によっては医師の指示に従いましょう。

  1. 動かず安静にする: 急性期の強い痛みがある場合は、無理に体を動かす必要はありません。しかし、安静すぎるのも避けましょう。適度な範囲で体を動かすことが大切です。
  2. 毎日歩く: 30分程度のウォーキングで腰回りをほぐし、筋力をアップさせましょう。ただし、長時間歩くと足腰に痛みやしびれが出ることがあるため、こまめに休憩を取りましょう。
  3. 自転車やエアロバイク: 腰回りを支える筋肉を鍛えるために自転車やエアロバイクを利用しましょう

では、脊柱狭窄症の治療法はあるのでしょうか

脊柱管狭窄症の治療法は、保存療法と手術療法の2つがあります。以下にそれぞれの治療法について詳しく説明します。

1. 保存療法

保存療法は、軽度な症状の場合に選択される治療法です。以下の方法が含まれます。

  • 薬物療法: 痛み止めや神経組織への血流を増やす薬を組み合わせて、歩行距離や日常生活動作の改善を目指します。
  • 装具療法: サポーターやコルセットを装用して、動作や姿勢による痛みを抑えます。
  • 理学療法: 温熱療法などを行い、筋力をアップさせたり、痛みを和らげたりします。

2. 手術療法

手術は、重度な症状が出ている場合や下肢麻痺や膀胱直腸障害がみられる場合に適応されます。手術の方法には以下のものがあります。

  • 腰椎椎弓切除術: 狭くなった脊柱管を広げるために行われる手術です。広範囲椎弓切除術と部分椎弓切除術の2種類があります。
  • ペインクリニックでのブロック注射: 神経の周りに薬を直接注入して痛みを和らげる治療が可能です。

治療選択は患者さんの症状や重症度に応じて行われるべきです。早期診断と適切な治療が大切ですので、整形外科または脳神経外科を受診してください。