睡眠は健康に大きく影響すると思いますが質の良い睡眠のとり方について記してゆきます。
夜眠れずに、不眠症で悩んでいる人の数は3000万人にものぼります。周りからはしっかり寝ているように見えるのですが、本人は全く熟睡できた感じがせず、困っているというものです。
質の良い睡眠は、健康と幸福に重要な役割を果たします。以下に、質の良い睡眠を得るための方法をいくつか紹介します。
質の良い睡眠とは
質の良い睡眠は、次の3つのポイントを持っています:
- スムーズな入眠: 眠りにつくことが容易であること。
- 深い眠り: 実感できるほど深く眠れること。
- スッキリと目覚める: 目覚めが爽やかであること。
質の良い睡眠とは、スムーズに入眠できること、深く眠れたと実感すること、スッキリと目覚めることの3つがポイントです。つまり、脳も体も充分に休めている睡眠を指します。また、どの程度深く眠れたかも重要であり、レム睡眠とノンレム睡眠の状態についても理解しておく必要があるでしょう。
レム睡眠とは、眠りが浅い状態で、体が休んでいても脳が活動している状態であり、ノンレム睡眠は、眠りが深く脳も身体も十分に休んでおり深い眠りについている状態です。
睡眠は、身体の機能の修復や、体温の調整に関わるホルモンの分泌量とも深い関わりがあります。ホルモンの分泌量は代謝促進や自律神経を整えることにもつながり、睡眠の質を上げることで身体の機能を修復することだけではなく、脳の疲労の蓄積も予防する効果が期待できます。
健康維持だけではなく、美容効果や仕事のパフォーマンスを上げるなど様々なことにつながるのです。
また、レム睡眠とノンレム睡眠の状態についても理解しておく必要があります。レム睡眠は眠りが浅い状態で、脳が活動している状態です。一方、ノンレム睡眠は深い眠りで、脳と身体が十分に休んでいる状態です。ホルモンの分泌量とも深い関わりがあり、質の良い睡眠は身体の機能を修復し、脳の疲労を予防する効果が期待できます。
日中にできる質のいい睡眠をとる方法
- 日の光を浴びる: 起床直後に日の光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜に自然と体を休める準備ができます。
- 朝食はしっかり食べる: 朝食は体内時計の乱れを整え、血流を促進して身体や脳を目覚めさせる役割があります。
- 適度な運動: 軽いウォーキングやランニングなどの運動を習慣化することで、入眠直後に深い眠りにつけます。
- ご自身に合った寝具を選ぶ: 寝具は保温性や吸湿性が高く、身体が沈まないものを選びましょう
質の良い睡眠をとることは、健康だけでなく美容や仕事のパフォーマンスにも影響を与える重要な要素です。
厚生労働省による質の良い睡眠の評価指標
質の良い睡眠とはどのような状態を指すのか、厚生労働省が評価指標を公表しています。
厚生労働省の「第3章 より健康的な睡眠を確保するための生活術」では、以下のような状態が質の良い睡眠だとされています。
- 規則正しい眠りと覚醒のバランスが維持できており、夜と日中と夜のメリハリがある
- 十分な睡眠時間が確保できており、昼間に居眠りをしたり強い眠気に襲われたりすることはなく、心身共に健康な状態で過ごしている
- 夜中に目が覚めることが少なく、睡眠時間が安定している
- 朝スムーズに目覚める
- 起床後にすぐに活動できる
- ベッドや布団に入ってから短時間で眠れる
- ぐっすり寝たという感覚を得られている
- 昼間の疲労感が少ない
夜に眠れているかどうかだけではなく、日中の健康状態についても定義されています。
長時間の睡眠が必ずしも質の良い睡眠にはつながらない?
質の良い睡眠とは、どのくらいの時間寝たかではなく、入眠直後にどのくらい深い眠りにつけたかが重要です。
質の良い睡眠をとれていると、入眠直後に深い睡眠に入り、90分間のサイクルで深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返します。朝は、レム睡眠の状態で起床することがポイントです。
レム睡眠 | ノンレム睡眠 | |
眠りの深さ | 浅い | 深い |
身体 | 休息状態 | 若干緊張状態 |
脳 | 覚醒状態 | 休息状態 |
起床時 | すっきり | 身体がだるい |
最終的に、眠りが浅いレム睡眠の時に起床すれば、たとえ睡眠時間が短かったとしても、熟睡できた・朝スッキリ目覚めたと実感できます。
質の良い睡眠をとることによって、身体の健康だけではなく精神的な健康を維持する効果も期待できます。質の良い睡眠によって得られる2つの効果をチェックしていきましょう。
★生活習慣病の予防になる
質の良い睡眠は生活習慣病の予防になります。睡眠不足になると、食欲を高める成分が分泌されること、善玉コレステロールが減少し中性脂肪が増えることで肥満につながります。
また、インスリンの働きが低下し、脳や体が活性化された状態が長時間続くことで血糖値や血圧が上がり、糖尿病や高血圧の原因にもなるのです。
質の良い睡眠で生活リズムが整うと、ホルモンバランスも乱れにくくなり、高血圧や肥満、循環器疾患、耐糖能障害、メタボリックシンドロームなどの予防になります。
★心が健康になる
身体的な健康だけでなく、心の健康にも質の良い睡眠は影響します。
睡眠の質が低下すると、感情のコントロールを低下させ、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌量が増えることによって抑うつや不安障害の重症化につながるため注意が必要です。
また、脳が十分に働かなくなり、記憶能力といった認知機能の低下の原因にもなります。
「ためしてガッテン」NHKでは、ぐっすり朝まで熟睡できる方法が取り上げられました。熟睡できずに困っている人の脳は、異常な動きをしていることがわかりました。それは古い脳の覚醒です。
熟睡を妨げる原因
私たちの脳は、古い脳と新しい脳からできています。古い脳とは、体温調節や呼吸、脈拍、血圧など、無意識のうちに活動している部分で、本能的に動くなどと言いますが、この本能を司どる脳のことをいいます。
この古い脳が、寝ている間、本人も気付かない数秒~数十秒間覚醒し、それを何度も繰り返しているのです。この覚醒のために睡眠が細切れになり、深い睡眠ができなくなるのです。
熟睡できず浅い眠りを繰り返すことになるので、翌朝起きた時にぐっすり眠った感じがせず、日中も頭がはたらかなくなってしまうのです。
布団に入るとき、また今夜も眠れないんだろうなぁと思うことを毎日繰り返しているうちに、寝室に行くことや、布団に入る事がストレスになってしまい、そのストレスで、古い脳が覚醒し、熟睡できない状態になってしまうのです。
解決法は睡眠日誌と弛緩法
熟睡できる方法として、睡眠日誌があげられました。日誌には、・寝床にはいるけれど起きていた時間、・うとうとしていた時間、・眠っていた時間、の3つを記録します。これを1~2週間続けると、自分に必要な睡眠時間や、布団に入るベき時間がわかってきます。
例えば、必要な睡眠時間が6時間の人が、朝6時に起きたい場合、逆算すると0時ですが、それに寝床にいる時間として30分プラスしてあげると、23時30分に布団に入ればいいということになります。
この睡眠日誌をつけることによって、70%以上の人が熟睡できるようになりました。実際、番組で紹介された不眠に苦しむ男性は、この日誌をつけたことで驚くほど熟睡できるようになったそうです。
熟睡できる方法2つめは、筋肉を緊張させた後に、少しずつ緩めるだけで、驚きの効果が出る弛緩法です。
【手のひらを使う弛緩法】
①両手を太ももの上に置き、こぶしを握って5秒間力を入れる。
②操り人形の糸が切れたように、一気に力を抜く。
③15秒以上力をゆるめる。
④ゆるめてリラックスしている感覚を意識する。これを2回ほど繰り返す。
【上半身を使う弛緩法】
①こぶしを握り、脇を締めて、腕を胸に押し付けながら肩を上げる。筋肉や背筋にも力を入れて5秒間ほど力を入れる。
②操り人形の糸が切れたように、一気に力を抜く。
③15秒以上力をゆるめる。
④ゆるめてリラックスしている感覚を意識する。これを2回ほど繰り返す。
寝る30分ほど前に、寝室以外の場所で行うようにしてください。古い脳の覚醒を静めて、深い眠りを得られるようになるでしょう。
眠くなってから寝る
眠りたいのに眠れず、寝室に行くことがストレスになってしまう悪循環をなくすには、寝床でのもんもんとした眠れない時間を作らないことです。眠くなるまで寝室には行かず、リビングなどで過ごすのです。
いつまでたっても寝られないんじゃないかと心配になるかもしれませんが、睡眠は量より質です。数日間は、きちんと眠れない日が続いたとしても、その後必ず眠れるようになるでしょう。
夜勤中、夜勤明けでも熟睡できる方法
仕事の関係で夜勤があり、朝夜逆転の生活をしている人が熟睡できる方法は、どういう点に気をつければ良いのでしょう。
夜勤が終わってどっぷり疲れた体を休ませたいのに目がさえてしまって眠れない、なんてことがあると、体力の回復ができていない状態でまた次の勤務が始まってしまうことになり、とても辛い状況になってしまいます。
体温が上がりきらないうちに
体温は1日じゅう一定ではなく、常に変動しています。活動している昼間は高く、睡眠をとる夜になると低くなります。
これを体温の日内変動といいますが、夜勤中に睡眠のリズムが逆転しても、体温のリズムは逆転しないので、夜勤で昼間、体温のリズムに逆らって眠ることになると、体温が高い状態のまま眠ることになってしまいます。
体温が高い状態は眠りに適していないので、浅い眠りになり、疲れをとることができなくなります。ですから、夜勤が終わって帰宅した後は、なるべく早く寝るようにしてください。
体温は朝から昼にかけて上がっていくので、夜勤明けで帰宅した時はまだ体温が上がっていません。少しでも眠りに適した体温のうちに眠るようにしたいものです。
夜勤明けは3時間だけ
夜勤の期間が終わって、生活が普通の時間帯に戻ったときは、睡眠も夜にぐっすり眠れるように戻してあげなければいけません。この時大事なのは、夜勤の期間が終わった日の過ごし方です。
夜勤中と同じように、帰宅して直ぐ朝のうちに寝るのは大丈夫なのですが、3時間ぐらいで起きるようにしてください!そうすれば、夜もまた自然と眠れるようになります。
なぜ3時間かというと、短い睡眠の中で、すっきり目が覚めやすいのが3時間だからです。私たちの睡眠には一定の周期があり、だいたい90分毎に眠りが浅くなるタイミングがあります。
聞いたことがあると思いますが、レム睡眠というものです。90分×2セットということで180分=3時間というわけです。
太陽が生活リズムをリセット
朝から3時間ほど眠ってお昼頃起きたら、太陽の光をしっかり浴びるようにしてください。太陽の光が体内時計のリズムを修復してくれるはたらきをするので、夜に眠って朝に起きるというリズムに戻りやすくなります。
日中に太陽の光を浴びることで、脳内物質のセロトニンの分泌量が増えます。セロトニンは睡眠にとても大事で、これが不足すると不眠やうつを引き起こすとも言われています。
夜勤が続いていると、太陽の光を充分に浴びることができていませんから、セロトニンの分泌量も減っています。不足している分を補うつもりで、太陽をしっかり浴びるようにしましょう。
熟睡できる方法・ストレッチは短時間睡眠に効果あり
短時間睡眠でも休息が充分にとれるようになるには、寝る前の入浴とストレッチがおすすめです。
夜に、入浴とストレッチをすることで、筋肉や内臓にたまった疲労が押し流され、睡眠の質が深くなるのです。睡眠で充分な休息がとれていればいいのですが、熟睡できずに眠りが浅いと、思うように休息がとれませんよね。
寝る前の入浴とストレッチは、面倒な準備も何もいりません。お手軽なので、誰でも無理せず続けられると思います。
ストレッチの方法
ストレッチは、基本的に体を柔らかくする運動を、自分の好きなように行えば良いのですが、1つだけおさえておきたいのが、肩甲骨まわりのストレッチです。肩は、実は疲れをため込みやすい場所なので、ほぐしてあげることが大事です。
やり方は、両腕を両肩の上にのせて、ぐるぐる大きく回すだけで、10回もやれば十分です。お風呂上がりですと汗をかきやすくなりますが、汗をかかない程度に行ってください。
入浴の方法も見直して
湯船に浸かると、体温が上がり皮膚の毛細血管が広がって血流が良くなるので、疲労が取り除かれてリラックスした気分になりますよね。なるべくシャワーだけでなく、湯船に浸かるようにしてください。
ぐっすり眠るためには、夏なら38℃前後、冬なら40℃前後のぬるめのお湯に10分ぐらい浸かるようにしましょう。リラックスできる入浴剤などがあれば、なお効果的です。
超簡単!すぐに熟睡できる方法
どんなに眠れなくても、1分で眠ってしまう方法があるのです!
アメリカのアンドルー・ワイルド博士という健康啓発活動で有名な学者が提唱された呼吸法なのですが、リラックスするために行う呼吸法の一種で、息を吐くことを強調しているのが特徴的です。
やり方
【1分で眠ってしまう4-7-8呼吸法】
①口から、いったん息を完全に抜き切る。
②口を閉じて鼻から4秒かけて息を吸う。
③7秒間息を止める。
④ 8秒かけて口から息を吐き出す。
以上のセットを4回繰り返す。というとてもシンプルな方法です。
無理せず、いつもの楽な呼吸の延長を意識して、息はゆっくり吐き出すようにしてください。心身のリラックスは息を吐き出すことで導かれます。
アンドルー・ワイルド博士の動画の説明があるので、話の内容が理解できない場合でもくても、やり方がわかりやすいので参考にしてみてください。
よく眠れる10個の習慣のまとめ
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- 寝る前にやるべき習慣2. 瞑想をする …
- 寝る前にやるべき習慣3. 就寝の3時間前までに食事を取る …
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- 寝る前にやるべき習慣5. 日記を書いて、頭をスッキリさせる …
- 寝る前にやるべき習慣6. コップ1杯の水を飲む …
- 寝る前にやるべき習慣7. 夏場は26〜28℃、冬場は16~19℃程度の室温を保つ …
- 寝る前にやるべき習慣8. 部屋の照明を暗めにする …