自律神経と睡眠は密接に関連しています。自律神経は、内臓の働きや代謝、体温調整などの身体機能をコントロールしている神経です。この自律神経には、昼間や活動している時に活発となる「交感神経」と、夜間やリラックス中に活発となる「副交感神経」の2種類があります。
- 交感神経が優位に働くと、血圧や血糖値の上昇、瞳孔の拡大など、心身が興奮状態になります。
- 副交感神経が優位に働くと、血圧下降による心拍数の減少、瞳孔縮小、体温の低下など、心身の緊張がほぐれやすくなり、休息状態となります。
睡眠や休息によって疲労回復が期待できるのも、副交感神経の働きによるものです。自律神経が乱れると、寝付きや目覚めのリズムが崩れ、睡眠に関する不調が起こりやすくなります。1 したがって、良質な睡眠を得るためには、自律神経のバランスを整えることが重要です。
自律神経とは、体中に広がっている末梢神経のひとつであり、呼吸や消化吸収、血流や体温調節など生命の維持に欠かせない機能を均衡に保つ働きを持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経には筋肉を緊張させたり心拍数を上げるなど身体の活動を活発にする働きを、副交感神経は反対に筋肉を緩めたり心拍数を下げるなど身体をリラックスさせる方向に働きます。
交感神経と副交感神経は、互いに適切なバランスを取りながら身体の状態を調整しています。しかし、不規則な生活によって一方の自律神経の興奮状態が続いたり、ストレスによる刺激や、更年期などによるホルモン分泌の乱れなどで交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、様々な身体の不調が現れます。
眠りの質低下による不眠をはじめとした睡眠障害もそうした不調のひとつです。
生命維持に欠かせない自律神経の働き、
自律神経の乱れが睡眠障害の原因となる.
自律神経のバランスが崩れて副交感神経の働きが低下し、緊張や興奮を高める交感神経の働きが優位になると、寝つきが悪くなったり(入眠障害)眠りが浅く途中で何度も目が覚めたり(中途覚醒)、早朝に目が覚めて二度寝が出来ない(早朝覚醒)、睡眠時間は十分なのに眠りが浅いと感じる(熟眠障害)といった症状が現れます。
その結果、集中力や意欲の低下、日中の倦怠感、食欲不振などの不調をきたします。これを「不眠症」と呼びます。
一般的に、一時的な不眠は誰しも経験があり、多くの場合、眠れない状態は自然に解消します。
しかし、不眠の状態が続いて慢性化すると、不眠のためにさらに自律神経のバランスが乱れ、ますます不眠の症状が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。そこで、日頃から副交感神経を優位にし、眠りの質を高める工夫が重要となります。
質の良い睡眠を得るためには、以下のポイントを意識してみてください。
- 規則正しい生活リズムを保つ: 睡眠時間を一定にし、毎日同じ時間に寝たり起きたりすることが大切です。
- 日中に適度な運動をする: 軽いウォーキングやストレッチなどで体を動かすことで、夜の睡眠の質が向上します。
- 就寝前の食事と飲み物に注意: 夕食は就寝3時間以上前に摂り、アルコールやカフェインの摂取を控えましょう。
- 快適な寝具を選ぶ: マットレスや枕は自分に合ったものを選び、寝床の温度を調整しましょう。
- リラックスする習慣を作る: アロマや心地よい音楽を使ってリラックスし、ストレスを軽減します。
これらのポイントに気を付けて質の良い睡眠を得るようにしてくださいね!