マッサージ後に痛みが出る原因はいくつか考えられます。主な原因としては以下のようなものがあります:

マッサージ後に出る痛みの原因

揉み返し: マッサージの際に強すぎる刺激が筋肉や筋膜を損傷し、炎症を引き起こすことがあります。これにより、施術後に痛みや硬直が生じることがあります。

マッサージに行った後、突然揉んでもらった箇所が痛くなったり、重だるくなったりした経験はありませんか?もしかすると、これらの症状は「揉み返し(もみかえし)」という症状かもしれません。名前は聞いたことがあるかもしれませんが、そもそも揉み返すとはどういう事なのか?など、不明な点が沢山あるかと思います。
揉み返しとは皮膚の外から圧がかかり、筋繊維が損傷したことによって起こる痛みです。主に整骨院(接骨院)や整体院、マッサージ院での施術において起こり、筋肉痛に似たピンポイントでの痛み方が特徴です。

また内出血(アザ)を起こしたり、頭痛や吐き気を催したりするケースも少なくありません。

実際に、「揉み返した事があり、不安で施術に行けない…」「揉み返しの痛みはどこに相談したらよいの?」「好転反応と揉み返しは別物?」など様々な質問をいただくことが多いようです。

揉み返しとは、上記でも記載したとおり、マッサージ後などにあらわれる身体に悪い反応のことを指します。

揉み返しが起こる原因は過度な刺激(押す力が強すぎる)や、無理な姿勢での施術によって、筋肉にある筋膜や筋線維が損傷し、炎症を起こしてしまうことです。ひどい場合だと内出血を起こすこともあります。結果的に筋肉が固くなり余計に筋緊張が強くなってしまい、これが痛みとなります。

具体的な症状は施術した箇所に痛みがある、施術した周辺の凝りがひどい、頭痛や吐き気がするなどです。症状が3日以上続くと揉み返し、3日未満の場合はおおよそ好転反応と考えられます。

揉み返しの好転反応について

好転反応とは、身体が正常な状態へ戻る際に起こる一時的な反応と考えられています。血行が促進されることで、下記の4つの反応が起こるといわれます。

  • 弛緩反応

マッサージや整体を受けた時に筋肉がほぐれることで、縮まっていた筋肉に溜まっていた毒素や老廃物などが、循環することをいいます。

  • 過敏反応

施術したのにもかかわらず、施術箇所に痛みやかゆみ、炎症などが生じます。

  • 排泄反応

体に溜まった毒素や老廃物を体外に排出しようとする動きのことです。汗、尿、便、皮膚に反応が表れるといわれています。

  • 回復反応

血行不良が改善されることで起こるといわれています。うっ血(血液が止まっていた)によって、汚れていた血液が一時的に巡り初める時に表れます。

揉み返しと好転反応の違いとしては、症状の持続期間が挙げられます。好転反応の場合は安静にして体を休めることで、2〜3日後にはすっきりとした状態に戻ります。一方で、揉み返しの場合は、筋肉繊維を傷つけてしまうため、痛みが3日以上続くこともあります。症状としては長期間の痛みや怠さ、患部の痛み、吐き気や頭痛などが出る方もいます。

好転反応で表れる症状

  • だるさ
  • 倦怠感
  • 眠い
  • あくび
  • 便秘
  • 下痢
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 頭重感
  • ふらふらする
  • 発汗
  • 皮膚の変化(湿疹、吹き出物)
  • 目やに
  • 尿の色の変化
  • 身体の痛み、痺れ、発熱

など

揉み返しの原因は何かというと

強すぎる刺激:揉み返しの一因には強すぎる刺激による筋肉や組織の損傷があげられます。どんどん強い刺激を求めるようになる知覚鈍麻が原因となる場合もあります。圧の入り方により、痛みに感じる場合と重だるさに感じる場合があり、痛みに感じるような場合は揉み返しになるケースが比較的多いとされています。

筋肉の凝り: 長時間のデスクワークや運動不足などで筋肉が凝り固まっている場合、マッサージによって急にほぐされると痛みが出ることがあります。

凝りすぎにより、血行が悪く柔軟性もない筋肉を急にほぐした場合に、少しの圧でも損傷する可能性があります。柔軟性がないと圧の刺激がダイレクトに伝わってしまうので損傷しやすくなります。

老廃物の排出: マッサージによって血行が促進され、体内に溜まっていた老廃物が一気に排出されることで、一時的に痛みやだるさを感じることがあります。

施術によって老廃物が一気に溢れ出すことで、倦怠感や熱、身体の重だるさが出ることがあります。

施術者の技量不足: 施術者の技術や知識が不足している場合、適切な圧力や手技が行われず、痛みを引き起こすことがあります。

施術者の知識不足により、一人ひとりに合わせた適度な圧の見極めができない事が原因になるケースがあります。また、技量不足により、柔らかい筋繊維と硬い筋繊維の違いがわからず、闇雲にほぐして筋繊維を伸ばしてしまうケースも考えられます。

もしマッサージ後に痛みが続く場合は、アイシングや安静にすることが推奨されます。また、痛みがひどい場合や長引く場合は、専門家に相談することをお勧めします。

もし揉み返しになってしまったら

炎症部のアイシングがおすすめです。冷湿布や保冷剤などで患部を十分に冷やしてください。冷やし方としては薄い布で保冷剤を包んだり、破れにくいビニール袋に氷や水を入れるなど、痛みを感じる部分に5分から10分当てて下さい。朝、昼、晩の3回以上当てると効果的です。

また、炎症部を温めるのは避けてください。温めてしまうと、炎症を起こしている患部の血流も良くなり、より痛みが強くなってしまう事が考えられます。そのため入浴も避けた方が良いでしょう。

さらに、運動も患部を温めてしまう恐れがあります。ストレッチなども筋線維を伸ばしてしまい、損傷を悪化させるリスクがありますので、揉み返しかな?と思った時は無理せず運動を控えましょう。

飲酒は肝臓の働きがアルコール分解に集中してしまうので、筋肉の修復を妨げてしまう可能性があります。揉み返し時は飲酒を控えることをおすすめします。

最後に、食事の注意点をお伝えします。いつもより少し量を減らし、消化に時間のかかる肉や洋食は避け、消化に良い和食を中心に食べると良いでしょう。魚は火を通したものや煮たものの方が胃腸に優しいのでおすすめです。


揉み返しが起きたときには、ストレッチは避けた方が良いとされています。揉み返しは筋肉が損傷して炎症を起こしている状態なので、ストレッチを行うとさらに筋繊維を傷つけてしまう可能性があります。

代わりに、以下の対処法が効果的です:

患部を冷やす:湿布や氷で痛む部位を冷やすことで、炎症を抑えることができます1。
過度な運動を控える:筋肉を休ませるために、激しい運動は避けましょう1。
十分な休息を取る:睡眠をしっかりとり、身体を休めることが重要です。

もし痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用することも考慮してください。ただし頻繁に利用するのは避けた方が良いです。

ストレッチをするならいつがいいかと云うと、ストレッチをするタイミングにはいくつかのおすすめがあります。それぞれの時間帯にメリットがあるので、自分のライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。

朝のストレッチ
メリット: 目覚めをスッキリさせ、血流を促進します。代謝が上がり、一日の消費カロリーが増えることも期待できます。

朝にストレッチをすることで、就寝中に滞っていた血流が良くなり、冷えた身体をあたためてくれます。寝転んだまま伸びをするだけで、筋肉がほぐれて身体が目覚めるため、いつも眠たくてベッドから起き上がれないという方にもおすすめです。また、代謝が上がるため、一日の消費カロリー増加も期待できます。

デメリット: 身体がまだ硬いため、無理をするとケガの原因になることがあります。

朝は身体が硬いため、日中と同じような激しい動きはケガのもとになります。
また、出勤前はゆっくりする時間が取りづらく、「結局続かなかった…」というケースも多いです。
出勤前のルーティーンに組み込みやすい「ながらストレッチ」を取り入れると、無理なく続けやすいでしょう。

昼のストレッチ
メリット: 午前中の疲れをリセットし、午後の集中力を高める効果があります。

お昼のストレッチは、午前中の仕事で溜まったむくみや固まった筋肉をほぐす効果があり、
「午前の疲れのリセット」として効果的です。
また、血流がよくなるため、午後からの業務にも集中しやすくなります。

デメリット: 食後すぐは避けるべきです。また、職場などでは場所の確保が難しいこともあります。

在宅ワークでない場合、ストレッチをする場所に困ることもあります。

また、企業の昼休憩は1時間が一般的。
空腹時はめまいを起こしやすく、食後は消化器官が安定しないため運動は控えるべきであり、この短い時間でストレッチをするとなると、やはり少し厳しいです。
とはいえ食後を避ければ問題ないため、お弁当を温めている1分間などを利用して軽いストレッチを取り入れれば、習慣化しやすいとも言えます。

夜のストレッチ
メリット: お風呂上がりに行うと筋肉が柔らかくなり、ストレッチの効果が高まります。リラックス効果もあり、睡眠の質を向上させることができます。

ストレッチに適した時間帯として有名なのが、お風呂上がりですよね。
お風呂あがりにストレッチを行うことによって身体があたたまり、筋肉が伸びやすくなるので、身体が硬い方でもつらさが軽減します。
さらに寝る前にストレッチを行うことで、自律神経を整えてリラックスできるため安眠効果も!


デメリット: 予定が狂いやすい時間帯でもあるため、継続が難しいことがあります。

夜は朝や昼に比べて自由な時間が多いものの、残業や飲み会などで予定が狂いやすい時間帯でもあります。
急な予定変更でしっかり時間を取れない日があっても、その日は「ながらストレッチ」を取り入れるなどして、柔軟に対応しましょう。

また、いくらお風呂上がりのストレッチが推奨されているといえど、のぼせた状態はNG!
ふらつきを感じる状態でストレッチを行うと、バランスを崩してケガをする恐れがあります。
ストレッチを行う前は、40度以下の熱すぎないお湯加減にとどめておきましょう。

就寝前のストレッチ
メリット: 自律神経を整え、リラックスした状態で眠りにつくことができます。睡眠の質が向上し、疲労回復にも効果的です。


デメリット: 激しいストレッチは避け、ゆっくりとした動きで行うことが重要です。
どの時間帯でも、無理なく続けられるタイミングを見つけることが大切です。あなたの生活リズムに合った時間帯でストレッチを取り入れてみてくださいね。

お風呂上がりに!柔軟アップストレッチ①開脚

ストレッチといえば開脚!という方も多いでしょう。
毎日行うことで変化が分かりやすいため、実はストレッチ初心者にもおすすめ。
そんな開脚ですが、腰痛防止生理痛の緩和、さらにO脚や姿勢の改善になるなど、身体にも良いことづくめなのです。
筆者は1分×2セットを、毎日お風呂上がりに欠かさず行っています。
伸ばしやすいお風呂上がりに続けて、憧れの「柔らかい身体」を手に入れちゃいましょう!

やり方

1. カーペットなどの柔らかい床に座り、脚を開けるところまで開く
 ※このとき膝は少し曲がっていてもOK
2. つま先と膝を天井に向ける
3. 20秒ほどキープ

ポイント

最初は膝をまげても構いませんが、膝とつま先が内股にならないように気をつけましょう。
内股になっていると骨盤が開かないため、股関節は柔らかくなりません。
もし脚が90度開くようになったら、膝を伸ばすことを意識し、それができたら90度以上脚を開いてキープし、可動域を広げていきましょう。

お風呂上がりに!柔軟アップストレッチ②ダウンドッグ

ヨガのなかでもかなりメジャーなポーズ、ダウンドッグ
肩や背中、腕や腰・お尻をまんべんなく伸ばすストレッチなので、かなり効率の良いストレッチです。
全身を使うこのポーズは、お風呂上がりの伸ばしやすいタイミングで行うとケガの恐れも軽減され、血行促進の効果も高まります。

やり方

1. 四つん這いになる
2. お尻を持ち上げ、肘と膝を伸ばし、手のひら・足の裏で踏ん張って「く」の字になる
3. 肩甲骨を伸ばし、10秒キープ

ポイント

肘を曲げないようにしましょう。
肩が出っ張らないよう、脇を開いて「ばんざい」の姿勢を意識すると良いでしょう。また、ヨガのピラティスのポーズも似ており紹介しておきます。出来る方は試してみては!


つらい場合は、膝を少し曲げたり、かかとを浮かせても大丈夫です。

寝る前に!ベッドでできるリラックスストレッチ①ハッピーベイビー

ハッピーベイビーは、その名の通りご機嫌な赤ちゃんを彷彿とさせるヨガのポーズ。
しかし名前とは裏腹に、身体を落ち着かせるリラックス効果が得られます。
鼠径部(そけいぶ)という太い血管が集まる部分を伸ばすため、血流やリンパの流れの改善にも効果的。
そのためむくみや冷え、生理痛の改善が期待できます!

やり方

1. 仰向けに寝転び、体育座りのように膝を抱える
2. 足の裏を掴み、膝を開けるところまで開き、20秒ほどキープ

ポイント

リラックスすることが目的の一つであるため、無理をせず、キツいときは両膝の間を狭めてください。
足裏を掴むのが難しい場合は、足裏にタオルを引っ掛けて、タオルを手で引っ張るとやりやすくなります。
股関節が柔らかい方は、足裏ではなく膝を上から押すとより股関節に負荷をかけられます。

寝る前に!ベッドでできるリラックスストレッチ②チャイルドポーズ

チャイルドポーズもヨガでよく取り入れられており、身体をリラックスさせるポーズとして親しまれています。
全身の筋肉をゆったりと伸ばすため、血流促進・疲労回復効果があります。
さらに自律神経が整ってリラックスできるため、ヨガ教室中に眠ってしまう方もいるんだとか。
それほど高いリラックス効果が得られるため、ハッピーベイビーと合わせて寝る前の習慣にするのがおすすめです。

やり方

1. 正座の姿勢になり、膝と膝の間をこぶし半個分ほど開く
2. お腹を太ももに近づけ、余裕がある人はお腹と太ももをくっつける
3. 肘を曲げ、腕を枕にするようにおでこを載せる

ポイント

余裕があれば腕を頭の先に伸ばし、おでこを床につけるようにするとより全身の伸びを感じられます。
このときも、目指すべきはおでこが床につくことではなく、お腹を太ももにくっつけることです。
おでこを床につけることに意識が向きすぎると姿勢が悪くなりリラックスできないため注意しましょう。

「ストレッチは風呂上がりが良い」「朝ストレッチが身体にいい」などといった噂から、ストレッチに効果的な時間があるのでは?と思ってしまう方も多いでしょう。

確かに、時間帯ごとに伸ばしやすい・伸ばしにくいというのはあります。
しかし、繰り返しになりますが、効率的にストレッチの効果を得るには、時間帯よりも「継続」することが一番大事なのです。

普段の行動とストレッチをセットにする

隙間時間を使ってストレッチなどを行おうとしても普段は隙間時間など作れません。それならスキマじゃない時間、つまり何かをしながらストレッチをすればいいのです。
すでに習慣化している行動にプラスアルファでストレッチを組み込むことで、かなり習慣化しやすくなります。

私は、毎日お風呂上がりのスキンケアタイムで開脚や簡単なストレッチをしています。
もう何年も「お風呂上がり=ストレッチ、開脚しながらスキンケア」を習慣化しているため、歯磨きやお風呂同様に「やらない方が気持ち悪い」ほどになりました。

ストレッチの経験が少ない方は、「ストレッチは痛めつけないと意味がない」や「大変で私には到底出来ない」と思っているのではないでしょうか。
しかし、ストレッチとは、本来「痛くて辛いもの」ではなく「身体が伸びて気持ちがいいもの」です。
凝り固まった筋肉をじんわりとほぐすことで身体が軽くなりますし、血流も良くなり、なにより毎日伸ばすことで関節の可動域がどんどん広がるため、楽しく続けられます。

ストレッチと一緒に取り入れたい!効率的に柔軟性を高める食べ物は?

ストレッチが習慣になってきた方は、さらに効率的にストレッチ効果を得たくなってきませんか?
実は食べ物でも、身体の柔軟性を高めることができるのです。

たとえば、関節を柔らかくするためには、コンドロイチンという成分が効果的。
納豆やオクラなど、ネバネバした食品に多く含まれています。

また、身体を温めることで血行が良くなり、筋肉がほぐれやすくなります。
温かい飲み物を飲みながらストレッチを行ったり、普段からスパイスの効いた料理を摂取するとより効果的です。

「ストレッチだけじゃ物足りない!」という方は、ぜひ食事にも気を遣ってみてください!