ストレスとは、外から刺激を受けた時に生じる緊張状態のことを指します。外からの刺激(ストレスの原因)をストレッサー、それに対する体や心の反応をストレス反応と言います。
ストレスは体と心の健康にさまざまな影響を与えます。以下に主な影響をまとめました。

ストレッサーは大きく4種類に分けられます。みなさんの周りにはどんなストレッサーが潜んでいるか、確認してみましょう。

ストレスの原因は日常生活の中にある

私たちが「ストレス」という時、その多くは心理社会的ストレッサーを指していますが、日常生活の中にはストレッサーがたくさんあり、どれも日常生活の中で避けて通ることは難しいものばかりです。

1,物理的ストレッサー
暑さ寒さなどの気温の変化
騒音や混雑(満員電車、ショッピングセンターなど)
光、パソコンやスマートフォンなどのブルーライト

2,化学的ストレッサー
公害物質や薬品など

3,生物的ストレッサー
細菌、ウィルス、カビ、花粉など

4,心理社会的ストレッサー
人間関係の問題
仕事の責任
家庭の問題

私たちが「ストレス」という時、その多くは心理社会的ストレッサーを指していますが、日常生活の中にはストレッサーがたくさんあり、どれも日常生活の中で避けて通ることは難しいものばかりです。

ストレスで起こる体の異変

ストレスによる体への影響は個人差が大きいですが、

・腹痛
・下痢、便秘
・喘息
・体のふしぶしの痛み
・皮膚のかゆみ
・目の疲れ
・不眠 
・血圧の変化
・肥満
・血糖値の変化

こうした症状が慢性化すると、病気へと移行するリスクが高まります。

ストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンの分泌が増えます。「コルチゾール」には血糖値を上昇させる働きがあるため、強いストレス状態が続くと血糖値が下がりにくくなります。

ストレスとうまく付き合うことは、糖尿病をはじめとする生活習慣病のコントロールにとって、とても大切です。

糖尿病とストレスの関係

体への影響
頭痛や腹痛:ストレスが原因で頭痛や腹痛が起こることがあります。

消化器系の問題:下痢や便秘、胃の不調などが見られることがあります。

不眠:ストレスは睡眠の質を低下させ、不眠症を引き起こすことがあります。

血圧の変動:ストレスは血圧を上昇させることがあり、長期的には高血圧のリスクを高めます。

免疫力の低下:ストレスが続くと免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。

心への影響
イライラや不安:ストレスは感情のコントロールを難しくし、イライラや不安感を引き起こします。

気分の落ち込み:長期間のストレスはうつ病のリスクを高めることがあります。

集中力の低下:ストレスは集中力や記憶力を低下させることがあります。

行動の変化
過食や飲酒の増加:ストレスを感じると、過食や飲酒量が増えることがあります。

喫煙の増加:ストレスが原因で喫煙本数が増えることもあります。

ストレスを管理するためには、リラクゼーション法や適度な運動、十分な睡眠が重要です。また、ストレスの原因を特定し、適切に対処することも大切です。

ストレスが原因で糖尿病に影響を与える行動

ストレスによって引き起こされる生活習慣が、血糖値や糖尿病にどのような影響を与えるのか詳しく解説いたします。

ストレスによって食事量の制御ができなくなったり、ストレスによって生じる感情の変化を食べることでコントロールしようとしたりするため、食事摂取量が増加します。

このような時は、とくに糖分や脂肪分の多い食品を摂取しがちに。カロリーの摂りすぎは体重増加につながるため、肥満になる可能性があります。

肥満は糖尿病のリスクの1つです。なぜなら内臓に脂肪が付くと、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性が上がる)からです。

なお摂取する糖質量が増えると、血糖値は上がりやすくなります。ストレスを感じると糖質を多く含む甘い物を食べたくなることもあるでしょう。適量の糖質は私たちの体に必要ですが、摂りすぎると糖尿病に大きな影響を与えます。

糖尿病でもおやつは食べても良い?

糖尿病を治療する上で、気をつけなければならないことがあります。なぜなら、間食することで血糖値に大きな影響を与えるリスクがあるからです。

とくに血糖値へ大きく影響する栄養素は、糖質です。一般的な甘いおやつには糖質が多く含まれているので、食べると血糖値が急激に上がります。

よって、血糖値が急激に上昇すると糖尿病が悪化するだけでなく、合併症を発症するリスクが上がってしまいます。

おやつの糖質量は1日10gまでを目安にする

ショートケーキは1/5個、シュークリームは1/4個、プリンは1/3個、大福は1/5個、どら焼きは1/6個、せんべい1枚10gあたりの糖質は10g、クッキー1枚10gあたりの糖質が10gです。糖質10gのおやつはかなり少ないですね。ゆっくりと味わって食べるか、もう少し糖質量の低いおやつを選べば満足感が得られるでしょう。

ナッツ類は他の一般的な食品と比べて糖質量がとても少ないので、糖尿病の方のおやつにピッタリです。さらにナッツ類には噛みごたえがあるので、少量でも満腹感を得られやすいというメリットがあります。

ただし、ナッツ類は高カロリーなのが気になります。糖尿病食事療法のための食品交換表によると、ナッツ類は油脂類と同じグループに属するほど脂質が多く、カロリーも高めです。

そこで、おやつとしてナッツ類を食べる場合は、食品交換表の1単位である80kcal分の量を目安にすることをお勧めします。

参考までに、素焼きアーモンドであれば15粒、ピーナッツは12粒、くるみは8粒、カシューナッツは10粒ほどです。

大豆を丸ごと煎った、煎り大豆の主な栄養素はたんぱく質で、糖質は少なめです。

ポリポリとした噛みごたえで、ナッツ類と同じく適度な満腹感を与えてくれるのが魅力と言えます。

食べる目安としては、1日あたり20gがよいでしょう。

煎り大豆20gのカロリーは80〜90kcalほどで、糖質量は約3gです。

糖尿病の方は、基本的に甘いものはあまり食べない方がよいです。

甘いものは糖質が多く含まれるからです。摂取した糖質はブドウ糖に変換され、血糖値に大きく影響します。

また、甘いものにバターや乳脂肪のような脂質が多く含まれている場合は、血糖値は上がった後、下がりにくい傾向があると言われています。

良好な血糖コントロールを保ちつつ合併症を予防する糖尿病治療の観点から考えると、甘いものはお勧めできません。

しかし、どうしても甘いものが食べたい日もありますよね。その様なときは、おすすめはハイカカオチョコレートなのです。

ハイカカオチョコレートとは、カカオ成分が70%以上のチョコレートのことをいいます。チョコレートの材料であるカカオに含まれる、ポリフェノールの効果を期待できるチョコレートです。

普通の食事よりも、ハイカカオチョコレートを食べた方が、血糖値の上昇を抑えられていると分かりますね。

血糖値に良い効果が期待できるハイカカオチョコレートなら、日常的に取り入れても安心ですね。

おやつとして午前と午後にわけて食べるほか、食前に食べるのもよいでしょう。ただし、ハイカカオチョコレートのカロリーは高めなので、1回に食べる量は1片5gです。1日3~5回ほど食べて大丈夫ですよ。

クッキーは1~2枚であれば大丈夫です。

基本的な考え方としては、クッキー10gあたりの糖質10gを目安とします。

大きめのクッキーであれば1枚あたり10gのものが多く、小さめのものであれば4〜5gのものがほとんどです。そこで、クッキーを食べる時は大きいもので1枚、小さめなら2枚がよいでしょう。

ショートケーキやチョコレートケーキ、モンブランは1切れあたり300~400kcal台と高カロリーで、糖質も30~40g台と高いことがわかります。カロリーや糖質の面から考えて1回の間食に食べられる量は、1/5~1/4切れです。

レアチーズケーキはケーキの中では糖質は低めですが脂質が多いので、体重増加につながる可能性があります。そのため1/4切れ程度が、安心して食べられる量といえます。

糖尿病の方におすすめなのは、ロールケーキやスフレチーズケーキで、量は1/3~半分程度食べても大丈夫です。

少量じゃ物足りないな、という方は手作りケーキもオススメですよ。